「酒なしデー」の提案(毎日新聞・オピニオン欄、平成17年9月1日) 

 大正一二年九月一日、関東大震災が起こった。当時は禁酒運動が盛んで、翌年から同日を「酒なしデー」とし、避難救助訓練を行ったという。多くの酒屋さんも協力して酒を売らなかった。しかしその後の不況や戦争のため、いつの間にか「酒なしデー」は消えてしまった。今、アルコール依存症者の推定数は98万人、自殺者には酒ビンに囲まれての孤独死が多い。私は九月一日を「酒なしデー」の初日とし、何日、酒なしでいられるか一年に一度試してみることを提案する。多くの人は二日間は可能であろう。三日目に飲み始める人はアルコール依存症である可能性が高い。依存症では強い禁断症状が始まるのが三日目あたりになるからだ。古代、酒と薬の神様をクシの神(少彦名神)と読んだ。九月四日になるとこの神様から答えがでることになる。加藤純二(仙台市)

 

  

一般財団法人 日本禁酒同盟
Japan Temperance Union