シアナミドとノックビンについて

効能と使用上の注意


文責: 加藤純二
 


 どちらかを朝、服用すると、「もう今日1日は、酒が飲めないのだ」とあきらめがつきます。もしその日、飲酒すると、赤ら顔になったり、動悸がして心臓が苦しくなって、危険です。それで、服用には本人の了解が必要です。断酒継続の3条件、専門病院への通院、自助グループへの参加、と並んで特に断酒開始の時期には必須の条件、アイテムです。


 シアナミド液は「酒量抑制剤」という効能名がついています。水薬で、無味無臭です。小さな目盛り付き容器がついていますから、それに通常、7ml移して、朝1回服用します。作用は丸1日 、続きますが、人によっては効果が弱いことがあり、夕方、もう一度、追加して飲む場合もあります。1%液1本100 ml が普通14日分で、薬価は1mlが9円です。



 ノックビンは「抗酒癖剤」という効能名がついています。粉薬で、通常、0.2gを朝1回、服用します。0.2gは少量で調剤しにくいので、胃薬や整腸剤で数倍に薄めて、渡されることが多いと思います。効果は約1週間続きます。人によっては、倍量を服用することもあります。毎日服用する方法と、1週間服用し、1週間休む方法もあります。やはり、飲酒すると危険です。シアナミドより効果の持続期間が長いので、あきらめがつく期間が長くなります。ただ副作用(だるさ、めまい、頭痛など)の頻度がシアナマイドより高いので、シアナマイドでダメな場合に使われることが多いようです。



 抗酒剤による嫌酒療法(『アルコール中毒』加藤伸勝ら著、医学書院、1973年。)
     
  シアナミドの添付文書
 
  シアナミドの患者さん用の文書
 
  ノックビンの添付文書
 
  ノックビンの患者さん用の文書
 
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Japan Temperance Union